ドラマ闇金ウシジマくんと人生の転換点の話

コラム

闇金ウシジマくん。

好きなドラマの一つです。

漫画版の連載時代からずっと読んでいる人からすると批判する人も多いみたいですが、ドラマから入った僕としてはとても楽しめています。

この間久しぶりに見たくなってDVD借りてきました。

シーズン2です。

個人的にはシーズン1よりも2の方がエグイながらも一人ひとりのキャラクター設定というか、人生背景が描かれているような気がして好きなんです。

乾が見せてくれた人生の転換点

見たことがある人は分かると思いますが、ウシジマくんの特徴は色んな登場人物のエピソードが同時並行していくようなところ。

勿論様々な登場人物がいますが、
シーズン2全体を通してメインで描かれているのは二人の人生。

一人は学生の田中くん。

読者モデルを目指して一躍有名人になることを夢見ます。

もう一人は乾(字あってるか分からないけどこれで貫きます。笑)

人生を完全に諦めかけている、いわゆるニートで、実家暮らしの35歳。

親の金を盗んでまでパチスロに通い詰めているギャンブル中毒者。

この二人でも特に中心的に描かれていたのが乾。

見ての通りどうしようもない、所謂ダメ人間。

35歳という年齢ということもあって、当然実家に一緒に住んでいる両親も良い年。

父親も母親も定年を迎え、老後の心配をする年齢に。

それをよそに、
毎日昼過ぎに起きては冷蔵庫をあさり、母親の財布から金を抜き取ってパチスロに向かう乾。

父親も母親も心配はしているけど、半分あきらめかけている。

そんな中で母親は老後の資金でPCを使って株式投資を始めます。

同時に乾はギャンブルに使う金欲しさにウシジマが経営するカウカウファイナンスから融資を受けていました。

毎日夢中にやっていた母親でしたが、あるとき持っている株で大損。

両親は家を手放さなければならなくなるかもしれないということで、夫婦喧嘩を始めます。

その事実を知った乾は発狂。

『なにしてんだよぉっ!!!』

と母親に掴みかかり、投げ飛ばします。

その拍子に母親は顔面を家具の角に強打。

流血してしまします。

『いい年こいて何やってるんだ!もう出てけ!!』

と、父親から言われ出ていくことになった乾。

その後は月3万くらいのゲストハウスに住みながら、派遣会社に勤め引っ越しなどの仕事を始めてみるも、今までまったく体を動かしてこなかったニートに肉体労働はキツすぎました。

すぐに腰を痛めリタイア。

収入がなくなった乾はゲストハウスすら追い出され、ついにホームレスになります。

家を持たない人向けに開かれる炊き出しなどに並び、食事を取ったり。

なけなしのお金を使わないように、長距離の移動でも自分の足を使って移動するなど。

自宅にいたころの自分がどれだけ恵まれていて、どれだけ贅沢だったのかを思い知らされます。

そんなその日暮らしの日々の中でカツアゲにあった乾は

『お母さんに誤って、もう帰ろう』

と公衆電話から家に電話を掛けます。

出たのは父親。

そこで聞かされたのは、母親が倒れて入院したというもの。

これに動揺した乾は母親が死んでしまうんじゃないかと怖くなり、すぐに母親の病院へ徒歩で駆け付けます。

ボロボロになりながら病院を訪れた乾。

そこにはウシジマの姿がありました。

母親は息子が作った借金を今なお払い続けており、その利息の支払い場所を目撃します。

そこで乾の心がついに変化します。

入院させてまで母親に迷惑を掛けている自分。

そんな自分がとても情けなくなり、ウシジマに対して

『借金は全額自分が払うから、母親には近づかないでくれ』

と固い約束を結びます。

その後、乾は、昼は訪問介護、夜は工場での夜勤という生活を送り、借金を返しながら実家に生活費を入れる暮らしを送っていきます。

人間は追い込まれて本当の力を発揮する説

昼の仕事をまっとうに始めて、家に生活費を入れるなんて初めの乾では考えられない光景です。

彼を更生させたのは親の入院。

そしてホームレスというどん底を経験したことです。

人間って簡単には変われない生き物です。

外見を変えることは出来ても、内面を心から変えるというのは相当な動機がなければ出来ません。

乾は追い込まれて強制的に行動せざるを得ない状況になりましたが、自らあえて行動せざるを得ない状況に追い込むのは自分が行動出来るようにするための一つの方法かもしれません。

僕も起業する前、仕事は軌道に乗りつつあるものの、全くお金がない時代に普通に考えたら払っていけないほどの家賃の家に引っ越しました。

当然、直後の一か月はめちゃくちゃ大変だったし食事もろくに出来ない状態でしたが、
そのおかげで引っ越してからわずか2か月で起業するまでに至りました。

僕のやった方法は非常にリスキーに思われるかもしれませんが、冷静に考えれば例え失敗したとしても失うものはそこまで大きくありません。

失ったとしても家賃と引っ越し代くらいです。

まぁもし失敗したら・・・とか、失敗した時のことを考えてやるなら意味ないんですけど。笑

人間は追い込まれた時、通常の何倍もの力を発揮します。

追い込み方は人それぞれ。

僕みたいに実際に経済的に追い込んでもいいし、
もしくは周りにコミット(宣言)して後に引けない状況を作ってもいいかもしれません。

ウシジマくんを見ながらそんなことを考えていました。笑