ミシュランで改めて感じた付加価値の話

コラム

先日、あるミシュランのお店へ行ってきました。

日頃お世話になっている方を連れて以前一度だけ訪れたことのあるうなぎ専門店に行ってきました。

ここは天然うなぎが食べれるところで、厳選した旧吉野川産のものを出してくれます。

僕は今まで天然うなぎというものを食べたことがほとんど無かったのですが、食べてみてその味の違いに驚きました。

あまり違いに気付かないこの僕でも分かりました。

味というか食感というんでしょうか。
所謂、養殖うなぎよりも脂があっさりしていてしっかりと歯ごたえがあるように感じました。

ノリって大事だよね

最近仕事が忙しすぎて引きこもりっきりになっていました。

とりあえず一つの仕事やプロジェクトを抱えたら、それを済ませないと気になって夜も眠れないので、
一応の完成形が見えるところまで根詰めてやっていました。

そんなある日の夜。
いつものようにPCに噛り付いていると携帯に着信が。

掛かってきた相手はいつもお世話になっているAさんです。

『おつかれーすっ!』

いつものノリで挨拶するとどうやらとても疲れ切っている様子。

話を聞いてみると僕と同じく最近忙しすぎてほとんど寝ていないとのこと。

『あんま気にせずとりあえず久しぶりにメシでも行きましょう!』

と適当な僕。笑

そのノリで翌日久しぶりにご飯に行くことになりました。

ミシュラン掲載店ということで基本的に予約なしでは入れないため、その日のうちにすぐに予約を取ります。

この方、年齢的には上ですし、経歴的にも先輩なのですがよく相談をしてくださいます。

最寄りの駅で待ち合わせをし、そこからタクシーで向かいました。

『僕もつかれてるのでウナギくいましょう!ご馳走しますよ!』

そういうと一気に元気になったようで、なんて現金な先輩なんだろう。と思いつつお店に入ります。笑

やはり店内の落ち着きや雰囲気は普通のお店とは違います。

お店に入るとすぐに着物を着た女性が挨拶をしてくれて、名前を告げると席に案内されます。

プラス料金は掛かりますが、疲れている二人ということで(笑)今回は個室を用意していただきました。

二人にしては広すぎるくらいの空間に通されます。

注文は既に決まっていた為、その場でオーダーを告げます。

料理が来るまでは30分ほど時間を頂きますとのことだったので、料理が来る間にビールで乾杯。

しょうもない世間話をしているとあっという間に料理が来ます。

『え、30分も経った?』

と思いながら配膳され、久しぶりのウナギをほうばります。

『やっぱうめぇー』

二人とも無言で食べ続けていました。笑

価値の高め方はどこでも同じだった

結論から言って大満足だったのですが、当たり前ですが値段は高いです。

他のものも飲み食いしていますが、二人で3万くらいだったかな?

高級寿司や高級焼肉よりは安く済んでますが、普通に考えたら高いですよね。

でも、ほとんどのお客さんは満足して帰っていくんだろうなと思いました。

確かにおいしかったのですが、千円のウナギと1万円のウナギで9千円もの差があるのか?といわれたらそれは謎です。

でも満足する。

人によってはそんな高い金払ってバカじゃない?と思う人もいると思いますが、僕としては3万円以上の価値はあったと思います。

人が価値を感じるとこっていったいどこでしょう。

何で高くても予約でいっぱいになるんでしょう。

飲食店なので当然味は重要ですが、大切なのは味だけではないということ。

お店の雰囲気づくりや接客などのホスピタリティ、料理の運んでくるタイミングなど、人は様々なものに価値を感じます。

他と差別化しようと思ったら一つのことだけでは無理です。

人よりも良いものを身に着けている優越感だとか、静かに食事できる空間などに価値を感じている人にとっては決して高いとは感じないんですね。

価格を引き上げようと思ったら様々なところで付加価値を付けなければいけません。

というよりも、付加価値さえ付けることが出来れば価格は簡単に上がります。

商品の企画をしている企業にコンサルとして入ったとき、ライバル企業の既にある商品に勝つべく、その商品の持っている機能をすべて上回るようなものを考えていました。

確かに機能的に上回るのは大切なことですし、それで喜ぶユーザーもたくさんいると思いますがそれだけでは無いですよね。

そこだけで勝負するのは非常に効率が悪いですよ。

というお話をして、全く別の切り口から商品開発を行ってみました。

すると簡単にライバル商品よりも売り上げが経ちました。

これ、ブランド品とかも全く同じです。

何でわざわざあんなくそ高いヴィトンとかプラダを人は買うんでしょうか。

財布ならお金を持ち運ぶ。
バッグならものを持ち運ぶという昨日は他の安いメーカーでも同じように出来るのに。

その理由は他に価値を感じているからですよね。

全体としての売り上げを引き上げるのには単価を上げることが最も簡単です。

そしてその単価は付加価値を上手に付けることで上がる。

っていう普段から自分が言っているようなことを、ミシュランで改めて感じたのでした。