最近、よく知り合いのアフィリエイターと飲みに行きます。
つい先日もある男性アフィリエイターと都内で飲んできました。
アフィリエイターが二人もそろえばそりゃ話題はアフィリエイトに関することになるんですが、そのなかで『ずらし』について熱く語りました。
僕が熱く語ったというよりは、友人が熱く語っていたのですが、彼曰く『ずらしの技術を身に付けたことがアフィリエイトで稼げるようになった大きなきっかけだった』というんですね。
それを聞いた僕も『あぁ。たしかにずらしって重要だよな。』と思い、そのあとすぐに『ブログで書いたことなかったな。これネタにしちゃお。』って思って今ブログ書いてます(笑)
目次
ずらしの必要性
ずらしの必要性については、この記事を読んでいる人であればすでに十分理解されているでしょう。
少ないとは思いますが、理解していない人のために簡単に書いておくと、『ライバルや強豪サイトとぶつかり合わないため』です。
別にぶつかり合いたかったらぶつかり合ってもいいんです。
実際にそういう人もいます。
僕の友人にもいます。そういう喧嘩好きのアフィリエイター。(笑)
でも、真っ正面からぶつかり合おうとすると、どうしても激しいSEO合戦を繰り広げなければなりません。
時代は変わったとはいえ、今でも効果のあるSEO対策の筆頭は被リンク(自演リンク)対策です。
ということで、リンクを打ちまくるわけですが、これ相当な根性と労力が必要です。
あと、作ったサイトがいつの日か飛んで行って星屑になっても動じない精神力。
これがあればやってもいいですが、『そんな激しい戦争したくなよぉ』という人が考えなくてはならないのが『ずらし』というわけです。
僕もできれば激しい戦いはしたくないというタイプです。
ずらしはトレンドアフィリだけのものじゃないんですよ
『ずらし』って言葉が使われ始めたのは、多分トレンドアフィリエイトが初めなんですよね。
その前から俯瞰とか抽象化という言葉で同じような概念は主張されていましたが、ずらしという言葉はトレンドが発祥だと思います。(間違ってたら指摘お願いします)
だから、『ずらし』というとどうしてもトレンドアフィリのものというイメージがあるんですが、別にずらしはトレンドアフィリだけのものではありません。
アフィリエイト全般で使うことができる非常に重要な概念です。
というか、ずらしという発想がないといつまでたってもきつい作業が付きまといます。
逆に、ずらしの発想やスキルを身に付けることができれば、少なくともアクセスが集まらないサイトを作ることのほうが難しいといえるくらいにはなりますよ。
僕なりに具体的な『ずらし』の解説をしてみます
上でも書きましたけど、ずらしというのはライバルと競合しないために視点を変えることを言います。
でも、『ずらし=言葉の言い換え』だと思っている人多くないですか?
例えば、『福山雅治 結婚』でライバル多かったら『福山雅治 婚約』とか『福山雅治 入籍』とかで狙うみたいな。
これも確かにずらしですけど、これだけしかできないとかなり厳しいです。
正確に言うと、今までは大丈夫だったとしても、これからはより厳しくなると思います。
僕なりにずらしの概念とかやり方を説明しようとすると、まず以下の4つに分類することができます。
- 言葉の置き換え
- キーワードの俯瞰
- ユーザーの行動を先読みする
- 深堀
これをそれぞれに分けて、解説していきます。
パターン1.言葉の置き換え
まず言葉の置き換えですね。
これは上でも書いた通りです。
単純に同義語とか類義語で言葉を言い換えることによって、競合を避けるという発想です。
前述した『福山雅治』の例以外にも、例えば『酵素ドリンク 便秘』をずらすことを考えてみましょう。
これは難しくありませんね。
『酵素ドリンク お通じ』とか、『酵素ドリンク 快便』とか、いろいろ思いつくと思います。
察しの良い人は気付くと思いますが、メインキーワードをずらすことも可能です。
例えば、『酵素飲料 便秘』とかですね。
このベースとなる考え方に、省略や相性などの考え方を加えることでさらにずらしのパターンが広がります。
例えば、『パイレーツオブカリビアン』を省略した『パイレーツ』という愛称はずらしキーワードになりますし、『ドラゴンクエストモンスターズ』を省略した『ドラクエ』という愛称もずらしキーワードになります。
他にも、『木村拓哉』を『キムタク』とか、『マツモトキヨシ』を『マツキヨ』とか、無数にありますね。
さらに考えを発展させていくと、表記方法を変えるというのもずらしの一種です。
例えば、『Dyson』を『ダイソン』としたり、『東芝』を『TOSHIBA』としたり。
あまりおすすめはしませんが、あえて誤字を狙うというのもひとつの手ではあります。
例えば、『麹の生酵素 菌活ぷらす』という商品名を『酵素ぷらす』で狙うとか。
見ての通り完全な誤字ですよ。こんな名前の商品はありません。
でも、実際にこういう感じで狙って売れたこと何度もあります。
そうやって検索してくる人がいるということですね。
人間の記憶ってアテにならないことがよくわかります。(笑)
これらを一括りにして『言葉の言い換え』といっています。
とても単純なずらしで、もっとも基本的なやり方といってもいいかもしれません。
ですので、ずらし方がわからないという場合にはとりあえずここから身に付けるといいと思います。
ただ、このやり方だけだと色々問題も出てきます。
これについては後述している『単なる言葉の置き換えだけでは不十分』の部分を見てください。
パターン2.キーワードの俯瞰
次はキーワードの俯瞰ですね。
多分、キーワードに俯瞰という概念を持ち込んだのは、あの伝説的なLFMというアフィリエイト塾が最初でしょう。
俯瞰というのは、上から見下ろすという意味ですね。
キーワードを上から見下ろしてみましょう。
例えば、『掃除機』というキーワードを考えてみてください。
周辺にどんなキーワードが思い浮かびますかー?
『掃除機 激安』、『掃除機 最安値』、『掃除機 即日』
こんなキーワード思い浮かんじゃいましたか?
はい。それは俯瞰ではありませんね。
ガチガチのアフィリエイト脳なので、ちょっと山奥の温泉とかいってリフレッシュしたほうがいいです。
『掃除機』というキーワードを俯瞰するというのは、掃除機の複合キーワードを考えてくださいということではありません。
掃除機が欲しい人はどんな状況の人かを考えるということです。
色んな人がいそうですよね。
例えば『一人暮らし』。
素晴らしいキーワードだと思います。
一人暮らしをする人は掃除機新しく買い可能性ありますからね。
一人暮らし関連の複合キーワードを狙って、掃除機をアフィリエイトする。
普通に売り上げ上がりそうですよね。
他にも、『新生活』。
一人暮らしと似たキーワードだなぁって思いましたか?
そうなんです。
キーワードの俯瞰はパターン1で解説した言葉の言い換えの考え方を取り入れることによって更なる広がりを生みます。
『一人暮らし』と『新生活』以外にも、いろんなキーワード考えてみてください。
パターン3.ユーザーの行動を先読みする
これもキーワードの俯瞰と同じで頭を使います。
『パターン1』で解説したずらしはあくまでも単なる言葉の言いかえに過ぎませんでしたが、ユーザーの行動を先読みすることでもキーワードをずらすことができます。
これも具体例をあげましょうね。
例えば、この記事を書いている今現在、Yahoo!のトップニュースはこんな感じになっています。
このなかの『家造りから「大工」が消える? 効率化の光と影』という記事を例として見てみましょう。
一部を以下に抜粋しますね。
大工がノミやカンナで木材を削り、穴を開け、柱やはりを組んでいく。何もなかった土地に戸建て住宅が姿を現す――。家を建てると聞けば、そんな風景が脳裏に浮かぶのではないだろうか。
だがそうした建築現場は、もうほとんどない。「昨今の木造建築の95%以上はプレカット工法だ」。住宅メーカー・ポラスグループ傘下で、住宅向けの木材加工で最大手のポラテック(埼玉県越谷市)の北大路康信・専務取締役は、今の木造建築の現状をこう解説する。
プレカット工法とは、木造住宅に用いる木材を事前に工場で加工し、現場に搬入する工法のこと。大工が現場で一本ずつ木材を加工していく在来工法に代わり、コストカットや工期短縮に資するプレカットが急速に普及している。
<中略>
顧客も大手ハウスメーカーから地元の工務店まで広がり、プレカット抜きに木造住宅は成り立たなくなった。
活況を呈するプレカット市場の背景には、木造住宅の工法の変化がある。かつては柱やはりを組み、筋交いを入れることで骨組みを作る昔ながらの在来工法が主流だった。
だが1970年代から、コストと工期を圧縮し、住宅を大量に供給するための手法として、柱の代わりに壁で家を支える2×4(ツーバイフォー)やプレハブ工法が主流になっていった。
本文はこの5倍くらいあるんですが、そのなかの前半部分を抜粋しています。
まず注目したいのは最終段落。
だが1970年代から、コストと工期を圧縮し、住宅を大量に供給するための手法として、柱の代わりに壁で家を支える2×4(ツーバイフォー)やプレハブ工法が主流になっていった。
この赤字の部分です。
『2×4(ツーバイフォー)』とか、『プレハブ工法』って建築について詳しい人からすると当たり前の知識なんでしょうけど、一般の人からすればそこまで常識的な知識ではないですよね。少なくとも僕は良くわかりませんでした。
ということは、この言葉について調べる人がいるかもしれないということです。
このニュース文を読んだユーザーが次にどんな行動を起こすか?
これを考えた結果、こういうずらしが思いつくというわけです。
ただ、この話をするとよく『話題になっている記事やテーマのなかで使われている単語を拾えばいいんだ!』って思う人がいます。
でもこのように短絡的に考えてしまうのは少し問題ありだと思います。
たしかに、そうなる可能性は高いんですが、大きな間違いをする可能性があります。
例えば、引用したニュース記事のなかで『在来工法』という単語が出てきますけど、これを拾って記事を書いてもほとんどアクセスはないと思います。
理由は、ニュース本文を読んでみれば分かります。
活況を呈するプレカット市場の背景には、木造住宅の工法の変化がある。かつては柱やはりを組み、筋交いを入れることで骨組みを作る昔ながらの在来工法が主流だった。
普通に在来工法について説明されていますよね。
しかも、読んだら誰もが理解できるような説明だと思います。
在来工法=柱やはりを組み、筋交いを入れることで骨組みを作る工法のこと
って誰でも分かりますし、在来工法がどんなものかある程度理解できると思うんです。
一方、『2×4(ツーバイフォー)』や『プレハブ工法』についてはどうか?
だが1970年代から、コストと工期を圧縮し、住宅を大量に供給するための手法として、柱の代わりに壁で家を支える2×4(ツーバイフォー)やプレハブ工法が主流になっていった。
見てわかるように、説明はされています。
でも、その説明がイメージできないというか、色んな疑問沸いてきませんか?
この文章を見る限り、
2×4(ツーバイフォー)・プレハブ工法=柱の代わりに壁で家を支える工法
というのはなんとなぁく分かりますが、パッと思いつくだけでも以下のような疑問が出てきます。
- 柱の代わりに壁で家を支えるってどういうこと?
- なぜ壁で支えるとコストカットや工期圧縮ができるの?
- 2×4(ツーバイフォー)とプレハブ工法って全く同じものなの?
- 柱の代わりに壁で支えても耐震性とかに問題ないの?
こんな感じで本文を読んで疑問が出てくるということは、それで検索する人がいるかもしれないということです。
もちろんこれも可能性があるというだけで、100%そうとは言い切れませんよ。
だからこそ、量が大切なんです。量をたくさん打つことで当たる可能性が高くなるっていう。
意味の分からないずらしとか、ずらしをやっても全く当たらないという人は、たぶん本質を理解していないんだと思います。
ユーザーの行動を先読みするというのが基本ですので、それを意識しないとだめです。
というか、そもそも『それっぽい単語拾えばいいんだぁ~』と思っている人も多いと思うので、そういう場合には元記事自体しっかり読んでいない可能性ありますよね。
それじゃ絶対にユーザーの行動を先読みすることはできません。
パターン4.深堀
深堀というのは特定のジャンルに対して深い知識をつけて、誰も狙っていないような、でも需要のあるキーワードを拾うということです。
いわば、知識量で差別化する方法ですね。
これは特定のジャンルやキーワードについて、かなり深いところまで知る必要があるので、時間もかかりますし本気でやろうと思うと一番時間がかかるずらし方だと思います。
具体例を出すと、例えば『るろうに剣心』っていう漫画ありますよね。佐藤健さんの主演で映画化されて話題になりました。
僕はテレビアニメで放送していたころから『るろ剣』が大好きでした。(ジャンプで連載していたとき、僕は小さすぎました)
この『るろ剣』の作中には、主人公・剣心の師匠である比古清十郎という人物が登場します。筋肉隆々のキン肉マンみたいな人です。
比古清十郎は飛天御剣流の継承者で、作中最強ともうたわれている人物です。
そんな彼は普段、その実力を隠し、山の中で陶芸家としてひっそりと暮らしています。
その陶芸家としての名前が『新津覚之進』といいます。
多分ですけど、『るろ剣』をつい最近知ったとか、『るろ剣』がブームになっているから記事書こう!って思った人はこういう名前出てこないと思うんですよね。
このキーワードは若干ニッチすぎる傾向にありますけど、それでも実際にアクセスありました。
このキーワード狙って大昔記事書いたことあります。
ほかにも、『新井赤空 辞世の句』とか、正直『るろ剣』しらない人からしたら「なにそれ?は?」って感じのキーワードですよね。
それでも、検索需要があるキーワードというのはあります。
まぁこれはアドセンスサイトを作っているのか、それともASPアフィリサイトを作っているのかによっても使い方が変わりますね。
アドセンスならここまでニッチなキーワードだと1記事で狙う旨味がありません。
一方、ASPアフィリならこれくらいニッチなキーワードでも成約率が高いと見込めば狙う価値があります。
『るろうに剣心』よく知らないよ!!って人はごめんなさい。(笑)
ずらし=差別化ということ
ちょっと長くなってきたので、ここまでを整理しておきます。
上の4パターン以外にも細かく細かく分類していけば、『ずらしの型』というのはたくさんあると思います。
でも、大概はこの4パターンに集約されると思うんですね。
それで、見てきて分かるように『ずらし』というのは差別化の一種です。
イメージ的にはこんな感じ。
差別化という概念のなかに『ずらし』という概念がある感じですね。
これを『ずらし』という独立の概念が存在していると思ってしまうと、意味わかんない方向に行きます。
言葉をただ単に言い換えて・・・
とか、
記事のなかから単語を拾って・・・
みたいな機械的なずらしをやっている人は、ずらしというのは差別化の一種なんだよってことがわかっていません。
そして、ずらしで失敗する人の多くは検索ユーザーという人がイメージできていません。
ずらしとか差別化を考えるときには、かならず検索する生身の人を考えなければだめです。
いい例が上で解説したパターン3です。
どんな行動をするのか?というのを先読みするっていうのは、『この場合はこう』って感じで機械的にやることはできないですよね。
ちゃんと人の行動とか心理を考えなければできません。
とてもメンドクサイところですが、メンドクサイからこそやらない人が多いので差別化になるんですよ。
単なる言葉の置き換えだけでは不十分
トレンドアフィリエイト黎明期のころ、ずらしというとこれが一般的でした。
とにかく言葉を言い換えておけばOK!みたいな。
でも、現在はセマンティック検索のアルゴリズムによって、以前ほどの効果はなくなりました。
というか、言いかえだけだとかなり厳しくなりました。
ただ、完全に使えないというわけではなくて、そこにはコンテンツのクオリティとか別の要素も含めて判断されるようになったということです。
実際にセマンティック検索の例を見てみると、例えばYahoo!で『コート 紐』って検索してみます。
すると、以下のような検索結果が表示されます。
『コート 紐』と検索しているので、このキーワードが完全に含まれているページがもっとも上位に表示されていいはずです。
でも、実際には『ベルト』という単語も『紐』と同義語として認識されているのがわかります。(検索結果の太字になっているところを見ても分かりますね)
こんな感じで、過去の検索データや傾向から同じ言葉を意味していると思われるものは同義語として認識されるようになりました。しかも高い精度で。
他にも『飲み屋=居酒屋』というのも代表的な例ですね。
ですので、単なる言いかえをしていればOK!みたいに思っている場合は少し意識改革が必要かもしれません。
最強のずらしはアクセス解析です
はい。ここまで読んだあなた。
『ずらしのやり方は何となくわかったけど、キーワードをずらして本当にアクセスは来るの?』と思っていませんか?
おもっていますよね。きっと。
でも安心してください。キーワードずらしても、アクセスは来ます。(もちろん正しいずらし方をしているのが前提)
虫眼鏡キーワードとか、ツールに表示されるキーワードがすべてではありません。
もっといえば、個人的に最強だと思っているのはアクセス解析によるずらしです。
アクセス解析(Serch Console)では検索クエリを拾うことができます。
そのクエリを見ていると、『こんなキーワードで検索する人いるんだ』ってキーワードがたくさんあります。
でも実際に検索エンジンに打ち込んでみると、虫眼鏡キーワードとかには表示されていないということはざらです。
こういうキーワードは検索需要はあるのに、まったくページが供給されていないという、まさにライバル不在のキーワードなわけです。
もちろんニッチなキーワードにはなりますが、こういうものを積み重ねれば着実にアクセスを伸ばしていくことはできるでしょう。
あ、ちなみにこれもずらしの発想ですね。
『ずらしの手法の解説記事を読んだ人は次に何を思うかな?』ってことを考えてこの内容を僕は書いているわけです。
本文の言葉を借りればユーザーの行動を先読みしたわけです。
どうでしょう?当たっていましたか?
まとめ
一通りずらしについて僕なりの考え方を書いてみました。
なんか気づいたらめちゃくちゃ長くなりましたね。
いつの間にか8,000文字近くになってます(笑)
これでも、言いたいことの1割くらいしか言えてないのですが、ためになったら嬉しいです。
ということで、友人のありがたい話をネタにさせていただきました。(笑)